3C分析の概要【マーケティング】

2020年6月18日

3C分析の定義

3C分析とは、戦略立案における市場環境を分析するためのフレームワークです。
「市場・顧客」「競合」「自社」という3つの視点から経営戦略上の課題を導きます。

意味

  • 市場・顧客 … Customer
  • 競合 … Competitor
  • 自社 … Company

3C分析の"3C"とは、"Customer", “Competitor", “Company"の各イニシャルを取ったものです。
これら3つの"C"の視点から、自社を取り巻く環境を把握し、顧客ニーズの変化や競合の対応などを分析し、自社の課題を明らかにします。

ちなみに、3C分析は、元マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長(現ビジネス・ブレークスルー大学学長)の大前研一氏が考案したものです。
日本人が考案したものと考えると親近感が湧きますね。

4C分析および5C分析

近年では、さらにいくつかの"C"を加えて「4C分析」「5C分析」とする場合もあります。

例えば、代理店などが重要な位置を占める業界では、"Channel"(チャンネル)を加えて「4C分析」とすることがあります。

  • 市場・顧客 … Customer
  • 競合 … Competitor
  • 自社 … Company
  • チャンネル … Channel

あるいは、ビジネス環境をより広く悲観的に捉えるため、"Context"(社会背景)や"Collaborator"(協力者)を加えて「5C分析」とすることもあります。("Context"を"Climate"(気候)とする場合もあります。)

  • 市場・顧客 … Customer
  • 競合 … Competitor
  • 自社 … Company
  • 社会背景 … Context
  • 協力者 … Collaborator

要点

上では"4C"や"5C"を取り上げましたが、重要なことは"C"がいくつあるかではなく、どのように分析するかです。

以下では、3C分析の流れを見ていきましょう。

3C分析の考え方

まず、"3C"は大きく外部環境と内部環境に分けられることに注意します。
「市場・顧客」「競合」が外部環境、「自社」が内部環境です。

3C分析では、外堀を埋めてから中を見ていくため、基本的に外部環境から内部環境の順で分析します。

市場・顧客の分析

市場・顧客の分析は、状況分析の要となります。

ここでは、「どのような顧客がいるか」を把握することが目的となります。
そのために、市場の「規模」「成長性」「顧客ニーズ」を分析します。

規模現状の顧客数
顧客の変化(変遷)
成長性将来的な顧客数の変化
顧客ニーズ顧客の求めるもの
顧客が将来的に求めるもの

これらを考えることが第1ステップとなります。
次に、競合の分析を行います。

競合の分析

競合の分析は、企業が事業を行う上での外部環境を理解するために重要となります。

ここでは、「自社の事業での競合企業」を把握することが目的となります。
そのために、競合の「成果」及び「成果の理由」を分析します。

競合の成果競合企業の財務の分析
(売上・営業利益・ROEなど)
競合の成果の理由競合の顧客ニーズ
顧客ニーズの変化への対応

ここまでの外部環境の分析を終えたら、いよいよ内部環境(自社)の分析へ移ります。

自社の分析

競合の分析は、自社のビジネスに関する既存の問題と潜在的な問題を理解するために重要となります。

ここでは、自社の「現状」「成果」「課題」を把握することが目的となります。
そのために、先に終えた「市場・顧客の分析」「競合の分析」を踏まえて、「組織のビジョン」「戦略」「能力」「製品ライン」「技術」「文化」「目的」などを交えて、競合の対応できていない顧客ニーズを捉えるなどの戦略立案を検討します。

以上のように、3C分析では、各"C"の関係を把握しながら、全体の流れをイメージし、分析を進めていくことが重要となります。